情報 (H14.1) No.17

岐阜県セラミックス技術研究所 TEL : 0572-22-5381 FAX : 0572-25-1163

技術資料
磁器素地の軽量化について

[内容]

 世界でも類をない急激な高齢化が進展する中で、素材・形状・色彩等を追求した高齢者に「使いやすい」陶磁器製品の開発が急務である。高齢者向けの陶磁器素材としては(1)使用に際し割れにくいこと、(2)軽量であること、(3)保温性などに優れていることなどがあげられる。
 強度は、気孔、結晶粒径、マトリックス、粒子の配向性など、材料が持っている固有の性質と表面粗さ、表面損傷、試験方法などで決定され、空隙(気孔)の増加は軽量化に効果があるが強度を低下される。
 今回、軽量化材(くるみ殻粉末、珪藻土、炭化ケイ素、シラスバルーン)をカオリンー長石ー石英系磁器素地に添加し、1200〜1300℃の範囲で焼成し、その軽量化とまげ強度について検討した。
 下表に、使用した軽量化材の諸特性と軽量化を行った際の特性を示す。

くるみ殻粉末
軽量材 軽量化方法 比重 平均粒子径(μm)







備考
くるみ殻粉末 燃焼空隙 約1 100 ×   × 高温で高収縮
珪藻土 比重低減、空隙 1.6 16   焼成温度に敏感
炭化ケイ素 発泡剤 - 2.3   × 高温で発泡変形
シラスバルーン MS-101 空隙 0.6-1.1 11 増量による軽量化が可能
シラスバルーン PB-03 空隙 0.6-0.9 75 × 増量による軽量化が可能
【軽量化材の諸特性と軽量化特性】
参考資料:(株)シラックス サンプルカタログ

[成果]

  1. 軽量化材を添加することにより、曲げ強度は低下した。その中で、珪藻土添加で強度が高いものが得られた。
  2. 粒子径の小さいシラスバルーン(MS-101)の添加は、軽量で比較的強度がある素材となった。
  3. くるみ殻粉末やシラスバルーン(PB-03)は、軽量化に効果があるが、焼結体の内部構造が大きく、強度は低い物となった。

豆知識
エコデザインの発想

人と地球を考えたモノづくり!!

エコデザインの3要素

製品のライフサイクル中心に

【コスト(C)】 製造コスト、ランニングコスト、リサイクル、処理などライフサイクル全体での費用
【インパクト(I)】 地球温暖化(二酸化炭素排出量・・・)、資源枯渇(原材料、エネルギー使用量)など地球環境に与える影響
【パフォーマンス(P)】 安全性、利便性、審美性、付加価値など

・P/C
 コストを最小にして製品性能を高めていく従来の経済価値優先の考え方で環境への影響が含まれていない
・P/I
 製品の性能を環境への負荷で割っており、環境効率を示している。

[エコデザインとしての製品の総合価値指標は、製品価値、経済価値、環境価値の総和であり、P/ICで表される]

エコデザインのポイント

  • エコデザインでは、資源の豊富な材料を使用するとともに、再生可能な資源を有効利用する。
  • 材料の環境影響値の小さなものを使用する。
     (環境影響値は、一般的に新しい材料より再生材料のほうが小さい)
  • 部品をリユースした方が部品をマテリアルリサイクルして部品を製造するよりも全体として環境影響が少ない。
  • リサイクルにはエネルギーが必要であり環境負荷物質も放出されるため長寿命製品が望ましい。
  • 製品使用時の省エネルギーや省資源をはかり、毒性物質は可能な限り使用しない。
引用文献:戦略環境経営「エコデザイン」山本良一著
環境ラベルの種類と特徴

タイプT:第3者認証プログラム/Award方式

 特定の製品カテゴリーの中で、製品のライフサイクルを考慮し、包括的な環境優位性を示すラベルの製品表示ライセンスを自主的な複数の基準に基づき授与する第3者制度

タイプU:自己宣言による環境主張

 製造業者、輸入業者、流通業者、小売り業者、その他環境主張によって利益を得ることができるすべての人が行う、独立した第3者認証を必要としない環境主張。
 コンポスト可能、分離可能、解体容易設計、長寿命化製品、回収エネルギー、リサイクル可能、リサイクル材含有、省エネルギー、省資源、節水、再使用/詰め替え可能、廃棄物削減

タイプV:定量的環境情報開示方式

 ISO14040規格シリーズのLCAに基づいて事前に設定されたパラメータ領域を用いた、製品の定量化された環境データ表示する情報開示方式
(合否の判定は行わず、判断は情報の受け手にゆだねられる)

 

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