高機能マグネシウム合金の成形・利用技術に関する研究
(第4報)
-- 粉末冶金による合金設計と成形 Ⅱ (押出成形研究) --
本研究では、Mg合金の機械的諸特性の向上を目的に、粉末を原料とした成形プロセスについて検討している。本年度は、Mg粉末へのTiH2粉末添加による熱間押出成形体の機械的諸特性について検討した。熱間固化成形体の組織が熱間押出成形により緻密化及び微細化することを確認した。押出成形温度による機械的特性の差異は確認されなかった。また、TiH2粉末添加量の増加にともない、成形体の相対密度や曲げ強さ及び弾性率は減少傾向であったが、硬さと内部摩擦は増加傾向であった。さらに、既存のMg合金であるAZ91、MCM及びK1A鋳造材の弾性率や内部摩擦と比較した場合、Mg-TiH2粉末の成形体の弾性率は低い値であったが、内部摩擦は高い値を示した。
高機能マグネシウム合金の成形・利用技術に関する研究
(第5報)
-- 絞り加工研究 --
マグネシウムは軽量、電磁遮蔽性等に優れ、筐体への利用に適している。マグネシウムの成形には、射出成形が適応されている。これは、ほとんど唯一の実用的加工法である。しかし、マグネシウムの利用をより一層拡げるには、他の加工法も考慮しなければならない。ここでは、マグネシウム板材の深絞り成形法の確立を目指し、特にその成形性の向上について研究を行った。具体的には、マグネシウムの積層圧延による結晶学的特性の変化と深絞り成形性の関連について調査を行った。その結果次のようなことがわかった。
- 積層圧延による極強加工と焼鈍しにより、マグネシウムの結晶粒は微細化することができる。
- 極強加工材を焼鈍しすることにより集合組織が変化する現象は、マグネシウムでは認められない。
- 成形性の改善は、結晶粒の微細化のみでは困難で、集合組織の変化を併用しなければならない。
高機能マグネシウム合金の成形・利用技術に関する研究
(第6報)
-- 耐食技術研究 --
マグネシウム合金は近年,急速に普及しつつある材料であるが,耐食性が劣っていることや異種金属との接触において急速な材料劣化が起こることなどから,現在もなお,一般材料として受け入れらにくい状況にあり,耐食性がネックとなっている事は明らかである。 耐食性を向上させることは,マグネシウム合金の普及につながるだけでなく,新たな材料を用いた製品開発につながると考え,当研究所において耐食性の向上を目指す研究を行った。 マグネシウム材料の耐食性向上の手法としてゾル・ゲル法を基にしたSiO2膜の形成を行い,その耐食性の評価を行った。
印刷技法を利用した組織制御材料の開発金属とセラミックスの接合技術に関する調査研究
チタンと炭化チタンの接合をロウ付けと粉末焼結によって行った。ロウ付けではチタン箔によって1373K、1573Kで接合可能であるが、チタンと炭化チタンの界面にCの濃度が非常に高い層が形成される。銅箔によって1173Kで接合性が良いが、界面で多層を形成し、いずれの層もCの濃度が高い。放電焼結による接合においては1173Kでは炭化チタンの焼結性が悪く、かつ接合性が良くないが、1373K、1573Kで良く接合される。1373Kでは接合界面でCの偏析が顕著だが、1573KでCの拡散が促進され、偏析が少ない。接合部をチタンと炭化チタンの傾斜組成としたとき1573KでCの偏析が少しあるが、ほぼ一様な組織となった。圧粉成形体の焼結において1573KでCの拡散が促進される。チタンと炭化チタンの接合では接合部を傾斜組成とし、 1573K以上の温度で放電焼結を行い、1573K以上の温度で長時間保持することによって一様な組織を持ち、良好な接合体が得られると考えられる。
燃焼合成による皮膜形成に関する研究
(第1報)
燃焼合成の基礎実験として、様々な粉末組合せによる燃焼合成実験を行い、反応確認のために得られた焼結体の生成物組成とその時の焼結温度の特定を行った。
- Ti-Alは1000~1200℃で、Ni-Alは600℃以上で、Fe-Alは650℃のそれぞれ焼結温度で金属間化合物の生成を確認した。
- Ti-Feは1200℃で、Ti-Niは1000℃以上で、Fe-Niは1200℃のそれぞれの焼結温度で金属間化合物の生成を確認した。
- Ti-Cは1200℃以上で、V-Cは1300℃のそれぞれの焼結温度で炭化物の生成を確認した。
- Ti-Bは1300℃の焼結温度で硼化物の生成を確認した。
切れ味の耐久性を高める2次刃の加工技術研究
(第1報)
切れ味の耐久試験機を使って市販の刃物材料や粉末ダイス鋼などについて耐久試験を行い、切れ味とその耐久性について検討した。その結果、幾つかの市販刃物材料でもSUS420J2やSUP101,2,3)などと同様に溝の生成と生長現象を確認した。また溝幅と切れ味のある程度の負の相関も確認した。ジルコニアセラミックスについて耐久試験を行い、SUS420J21,2,3)などの金属製刃物と同様に溝の生成と生長現象を確認した。また溝幅と切れ味のある程度の相関も確認した。粉末ダイス鋼は、切れ味性能KNPと特に耐久性TNPで他の材料よりも大きな効果を示している。熱処理に関しては、サブゼロ処理の効果が大きく、特に耐久性TNPに大きく影響していた。 髭剃り刃は、刃付け時のかえりの形状が切れ味感覚に大きな影響を及ぼしている。

